指で愛撫

彼はとても真面目な人でした。

 

初めて身体を重ねたあとも、「実は、結婚するまでしないつもりだった」そう言って私を驚かせました。

 

「一度してしまったけど、これからは結婚するまでしない」そうも言って、二度私をびっくりさせたんです。

 

初めて車で営みしたときから、二ヶ月くらいキスしかしませんでした。

 

意志が強い人だったんですね。

 

結局、私のほうが我慢できなくて彼を困らせました。

 

家に送るという彼に「帰りたくない」と言って、彼がしかたなく、ラブホテルに入りました。

 

だけど、それをきっかけにして彼の禁欲は破られてしまったんです。

 

それからはたびたび、そのホテルに行きました。

 

真面目な彼は、ホテルでの手順もいつも同じ。

 

ベッドですることも、いつもほとんど同じでした。

 

そんな彼が、一度だけ、すごくいやらしいことをしたことがあるんです。

 

それは、いつもと違うラブホテルに行ったときのことでした。

 

いつものシティホテルみたいなところと違って、ケバケバしい内装と回転ベッドがあり、壁が鏡張りになっている部屋でした。

 

抱かれているときの私はたいてい目を閉じているんですけど、彼が「あっちを見て」というので目を開けてみると、すごくエッチな二人の姿が壁の鏡に映ってました。

 

「ここ、見える?」

 

彼の指がさしている場所を鏡で確認した私は、恥ずかしくて目をそらしてしまいました。

 

だって、ふたりの身体が結合している部分が鏡に映っていたんです。

 

彼は、いつもの彼らしくない言い方で、「ほら、ここだよ。

 

もっとよく見て」そんなふうに言うんです。

 

「なにが映ってる?」

 

もう、私は見ていることができなくて目を閉じてしまいました。

 

あとで他の人と付き合ってからわかったことですけど、彼のものはかなり大きかったみたいです。

 

いつもすごい圧迫感に耐えているだけで、挿入による快感はありませんでした。

 

彼がイッたあとで、指で愛撫してもらってやっと私は達することができました。